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Airbnbの成功の鍵はアレだった!?ビジネスモデルとマーケティング戦略を考察する

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(Airbnbサイトよりキャプチャ)

Airbnbとは?

Airbnb(エアービーアンドビー)は、世界中に空き部屋などを持つ宿泊場所の提供者(ホスト)と宿泊場所を探している旅行者(ゲスト)を繋ぐ、空きリソースを活用したインターネット上のプラットフォーム。

物件は、一軒家やアパートの空き部屋(住人あり)か、まるまる貸切(住人なし)の場合が多いが、城、島、ツリーハウスなどユニークな宿泊施設を様々な価格帯で提供している。

ちなみに、なぜ”bnb”で「ビーアンドビー」なのかと言うと、当初はAirbed(エアーベッド)とbreakfast(朝食)を提供するサービス”Airbed and breakfast”だったからのようだ。適当にごまかして発音していたが、やっと納得できた。

 

Airbnbのビジネスモデルをピクト図で書いてみる

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Airbnbのビジネスモデルをピクト図解で分析してみた。ピクト図解に関しては、ビジネスモデルを発想する素晴らしい手法であり、こちらを参照してほしい。ビジネスモデルキャンバスなどもあるが、個人的には読まなくても感覚でわかるピクト図解が好きである。

マネタイズとしては、Airbnb側はホスト側の決済代行手数料として宿泊料金の3%、ゲスト側からプラットフォーム使用量として宿泊料金の6〜12%を徴収する手法を取っている。

 

 ホスト側がAirbnbを使うメリットは?

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                                                      (Airbnbサイトより)

・金銭的収入
・旅行者との交流
・個人認証が厳しい
・金銭ストレスが無い
・ホスト保証がある
・プロによる部屋の無料写真撮影サービス
・ハウスルール、キャンセルポリシーを指定出来る

マッチングサービスの鍵は、どれだけホスト(部屋を貸す)を確保するかだと思います。そのためにAirbnbは、多くの施策を行っています。ここでの施策が、他の競合サービスとの差別化を図っている大きな点ではないかと思います。

無料で写真撮影も!?ホストになってもらう為の手厚いサービス

まず、部屋情報の掲載を無料で行うことが出来ます。月額で掲載料を取るサービスもありますが、導入コストがなく成果報酬なのは嬉しい。

そして、非常に手厚いと思うのは、プロによる写真撮影が無料で行える事。サイト上では、写真を多く使用していることもあり、ゲストを獲得する為には写真での印象は大きな要素となっています。それをプロのカメラマンに行ってもらえるなんて素晴らしい!

自分の部屋を貸すのに気になるのは、本当に来てくれるのか?ハウスルールを守ってくれるか?Airbnbは、キャンセルポリシーやハウスルールもホスト自身が決める事ができ、自分独自のルールを作ることができる。

お金の受け渡しはAirbnbが行い、ストレス無し

 ゲストが来てからも不安なことが多い。もし、直接金銭のやり取りをするとなれば、何かと言い辛かったり、言葉の壁が邪魔する事もあります。しかし、Airbnbが金銭のやり取りを代行してくれることで解消。これは手数料を払ってもありがたいサービスです。

ゲストがどういう人かわからないのも不安。でも、個人認証はSNSだけでなく、パスポート認証をしなくてはいけなく身元も保証済み。もし家の物品が破損した場合にも、保証金を預けてもらう追加メニューや、Airbnb自体の大きな保証もありので安心ですね。(過去にあった事件を教訓に導入)

 

ゲスト側がAirbnbを使うメリットは?

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                                                       (Airbnbサイトより)

・普段泊まれない所に泊まれる
・ホテルより比較的安価
・部屋情報が豊富で選びやすい

ゲストが使いたい理由は、ご想像の通りです。

バリ島の別荘に!?ロンドンのオシャレハウスにも

Airbnbのサイトを見ているだけでも楽しめるのが、ワクワクしてくる部屋がたくさんあること。どうしても主要都市だと、ホテルなど固定してしまう宿泊先も数ある中から自由に選べるのが良いですね。

さらにホテルよりも部屋の情報がしっかりと書かれていて、選ぶ側に取っても嬉しいです。レビューも書いてある所を見ると、ゲストの様子もわかり安心します。

 

Airbnbの法律問題。有料で部屋を貸すのは、旅館業法に違反するのか?

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気になってくるのは、有料で部屋を貸し出しているので、「旅館業法」に違反するのでは無いか?ということ。こういう話は、専門家の意見を参考したいと思い、弁護士ドットコムの記事を参照させてもらった。

Airbnbのようなサイトを利用して、個人が部屋を貸す営業は、現行の旅館業法が想定していなかったものですが、現時点では、反復継続して行えば、旅館業法に抵触するといわざるを得ません。
旅館業法では、『宿泊料を受けて人を宿泊させる営業』をホテルや旅館として、広く規制対象にしているからです。適法に営業するには、旅館業の経営許可が必要ですし、食事を提供するならば食品衛生上の手続きも必要となります

記事の内容を見ると、法的にはアウトだが実際に広まってしまい、取り締まりを

受けたケースも無いようだ。今後の法規制については、2020年の東京オリンピックに向けて来場者の宿泊場所を確保するのが困難になってくる場合には、国家戦略特区として旅館業法を適用除外にすることで合法化する動きもあるそうだ。

 

【動画】Airbnbはどのように1兆円企業に成長していったのか?


How AirBnB Started - YouTube

Airbnbがどのように時価総額1兆円に到達したのか?そのマーケティングの鍵を調べていくうちにこの動画と出会う事ができた。2014年6月27日に公開されまだ13000PVであるが、どのようにAirbnbが2007年にスタートして、SXSWでは2つのブッキングしか埋まらないという苦難を乗り越え、オバマ大統領選挙で一儲けしようとした話などが2分に凝縮されている。

日本でサービスをリリースして、ネットニュースで話題になるといかにも成功しているように捉えがちだが、様々な困難を乗り越えている事を歴史を掘り下げる事で学ぶ事ができた。

 

Airbnbの2008年から2012年の世界への拡大を見る事ができる

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Airbnb Annual: Global Growth, Local Love

 こちらのサイトは、2008年からAirbnbがどのように世界展開をして行ったのかを1枚のスライダーサイトで表している。2012年のオフィス状況などもわかる。

 

 Airbnbのインフォグラフィックが凄い!成長を分かりやすく可視化 

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こちらは、上記の動画のインフォグラフィックverになる。1枚の画像でここまで分かりやすく表現できるとは驚きです。

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http://kellianderson.com/blog/2011/03/tiny-colorful-buildings/

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http://kellianderson.com/blog/2012/02/five-new-ish-infographics-about/

 2つのURLは、サービスの成長を表すインフォグラフィックになっている。見れば見るほど説得力が増す資料である。最近のトレンドを見ると、画像を1枚用意するだけでバイラルメディアやSNSでの拡散度が急上昇するため、このようなマーティング戦略は有効なのではないだろうか?

 

リファラルプログラムでコアユーザーから拡散

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                                   (Airbnbサイトより)

これまでは、大きな戦略について調べてきたので、現在行っているリファラルプログラム(友達招待)について見てみました。良く割引クーポンの招待の案内がSNSに流れたりしますが、詳しくシステムを理解していませんでした。Uberのクーポンはよく見ますね。

要するに、友達を1人招待してその友達がゲストとして最初に宿泊すると、$25自分にもポイントが入る。ホストの場合は$75のポイント獲得です。
詳細:紹介制度や旅行ポイントとはどのような仕組みですか?

この友達招待制度について面白い視点の記事があったのですが、

特に興味深いのが、同じ商品でも異なったバリュープロポジションを取ることで、成果が全く変わってくること。

あるメールでは、友人を招待することで$25手に入るという点を強調(利己)
他のメールでは、登録することで友人が$25手に入るという点を強調(利他)

結果は驚くべきことに、利他にフォーカスしたメールの方が世界中でパフォーマンスが良かったという。

 日本語の場合は、自分にポイントが入る(利己)の言葉で書かれているので、世界とは文化が違うのでしょうか?世界展開をしている会社は、プロモーションのA/Bテストの蓄積や、国ごとの文化の特性を理解をできて凄く有用な情報になりそうです。

 

最後に一言。旅行者との交流より、金銭的な面が多い?

調べていて気になったのは、当初は旅行者とホストの交流を押していたが、まるまる貸切のタイプが増えており「副業」の観点が多くなっている事。競合サービスでもある、カウチサーフィンは無料で使える事もあり、旅人がゲストと交流することも多いように感じた。

ある記事Airbnbのアジアディレクターは、「我々の信念とは“最善の旅行体験は、ローカルな人と一緒に滞在すること”」と記載があった。

旅好きの私としては、部屋を貸切にして贅沢に楽しむのも良いが、ぜひ現地のゲストとの人との繫がりを大切にする旅をしたい。場の提供と共に、コミュニケーションがインセンティブになる。

特に日本では、クールジャパンと題し日本文化を世界に発信することを歌っているが、戦略としては大成功とは言えないと思う。このAirbnbを通じて部屋を貸すだけではなく、日本人が海外の旅行者とふれあう機会が増える事で、日本文化をより多くの人に伝えるキッカケになれば良いのではないだろうか?

さて、記事だけではわからないことがある。次の旅行で早速使ってみよう!! 

 

※参考資料
“1分でわかる!成功サービス(1)” 貸し部屋マッチングサイト「Airbnb」
Airbnbが1兆円企業に到達するまでの軌跡をたどったビデオとインフォグラフィック | THE NEW CLASSIC [ニュークラシック]
「愛されよう、100人にだけでもいいから」-Airbnbのたった1つの海外戦略
クチコミをHACKする!「Airbnb」のグロースチームが行った5つのステップ
紹介制度や旅行ポイントとはどのような仕組みですか?

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